ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


青空を白い雲がゆっくりと流れていく。
碧斗の言葉が俺の胸をぎゅっと締め付けた。

俺がここまで言わせてしまったんだよな……。

「……離れるとか、言わなくていい」

俺は、コンクリートの上に投げ出されていた碧斗の手に自分の手をそっと重ねた。

「……っ!」

碧斗が驚いた顔をする。

「……凪?」

俺は横を向いて、碧斗と目を合わせた。

「碧斗に言わないといけないことがある」

息を吸い込んで覚悟を決める。
逃げちゃダメだ。
まっすぐに、今ある気持ちを伝えるんだ。

「俺、碧斗のことが好きだ」

ずっと心にためていた気持ちを今、伝えた。

いつか伝えようと思ってた。
自分の気持ちがまとまったらしっかり碧斗に言うんだって……。

本当は謝罪の後にいうつもりじゃなかったんだけど、今どうしても伝えておきたい。

碧斗が不安に思う必要なんてどこにもないし、俺から離れていく選択だってしてほしくない。

「碧斗の気持ち知ってたのに、ずっと返せてなくてごめんな」