いつものように悠馬と一樹の元に行って碧斗を待っていたけれど、碧斗がその輪に入ってくることはなかった。
「もう〜!仲直りしたと思ったのにまたケンカ?いい加減にしなよね」
悠馬が口を膨らませながら言う。
「そうそう、だいたい凪が悪いんだからもう早く謝ってきたら?」
一樹がいつものように決めつける。
でも本当に一樹の言う通りだ。
「……そう、俺が悪いんだ」
俺は魂の抜け切った顔で言う。
すると驚いたのかふたりは急に心配そうな視線を俺に向けた。
「だ、大丈夫?」
「凪の方が弱ってる……」
当然食欲も出るわけ無かった。
「俺、ひどいこと碧斗に行っちまったんだ……たぶん碧斗は俺の顔なんかもう見たくないって思ってる」
机を見つめながらそう伝えると一樹は言う。
「あのさ、たぶんそう思ってるとか知らないんですけど」
「い、一樹それは、いいすぎだよ〜!」
一樹の言葉が心臓にトドメを刺すみたいに突き刺さる。
「本当はどう思ってんの?聞いたの?」
「だ、だからそれが聞けないから……俺は困って……」
そこまで言うと一樹はメガネをカチャっと鳴らして言った。


