ふぅ……やっと去っていったか。
びっくりした。
まさか見られてるなんて思わないもんな。
立川ってああいう嫌な感じでイジってくるから嫌いだ。
俺も……そろそろ女の子と〜ってやつ、言うのやめないとな。
そんなことを考えてながら教室に戻ろうとした時。
「あっ……」
視線の先に人影があることに気づいた。
「碧斗……」
ウソだろ。
なんで碧斗がここに……。
いつから聞いてた?
俺は自分が言った言葉を思い出し、血の気が引いた。
「凪がなかなか帰ってこないから、迎えにきたんだ」
パニックになった頭で立ち尽くしていると、碧斗は、今まで見たこともないようなひどく傷ついた目で俺を見てた。
聞かれて、た……!?
違う。
そんなつもりじゃ。
「ちが、碧斗!さっきのは、その……!」
パニックで言葉がうまく出てこない。
早くこの話題を終わらせたかっただけなんだ。
最悪とか本当に思っているわけじゃない。


