ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


碧斗がたずねる。

「ああ、見てのとおり捕まった」

俺がプリントの束をひらひらさせると、碧斗は「俺も手伝おうか?」と、その束を半分持とうとした。

「あ、いいよ。どうせすぐ終わるし……碧斗も借りた教科書返すって言ってただろ?教室で待ってて」

「分かった」

碧斗は、少しつまらなそうに肩をすくめた。
そして俺は職員室にいって作業を超特急で終わらせることにした。

ゲームのためだ!

ずっと楽しみにしてた新作ゲーム。
今日は友達として碧斗と遊ぶぞ!

「……よし終わり、と」

やっと終わったー!
碧斗待たせてるし、早く戻らないとな。

俺は、担任の先生の机にプリントを置き、急いで自分の教室に戻ろうと廊下を歩いていた。

「お、凪じゃん。今帰りか?」
「おう」

なんだよ、急いでる時に限って話しかけられるな……。

前方からきたのは、前クラスが同じだった立川だった。
ぶっちゃけ、そこまで仲が良かったわけじゃないけど、すれ違ったら軽くしゃべるくらいのダチだ。

「今年も残念だったな、凪」
「は?なんだよいきなり」

立川の周りにいたやつらもニヤニヤと笑う。