ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


祭りが終わり、週があけた今日。
俺は1人で学校に来ていた。

碧斗はというと今日は委員会の仕事があるため、俺よりも先に学校に来ている。

セーフ……。
だってあいつが迎えに来たら、どんな顔をしたらいいか分かんねぇ!

普通でいられる自信がない。

花火大会の日。
俺たちはキスをした。

事故で唇と唇がぶつかるだけのキスだったが、あの柔らかくて熱を持った唇の感触を思い出さないようにしても、勝手にフラッシュバックしてしまう。

ああ、もう忘れる!
考えないようにしないと!

学校には悠馬と一樹がそろって座っていた。

お祭りにいけなかったふたりはつまんなそうに、机に肘を置きながら言った。

「あ〜あ、みんなお祭りの話題ばっかり」

悠馬は悔しそうにつぶやく。

「俺も塾終わって少しでも行こうかと思ったけど、けっきょく人多そうだし帰っちゃった」

「この三人は行けなかった組だね。あーあ、ばーちゃん家がなければ俺もお祭り行けたのにな~」