ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


「……っ」

まっすぐな言葉が、俺の心臓を射抜く。
照れくさくて、なんだか変な気持ちになった。

「なんだよ、なら誘ってくれればいいだろ。電話だってすりゃいいのに」

俺だって待ってたんだからな!

「だって美月もいたし、それに……凪は次付き合う子とお祭りに行くの、楽しみにしてたから」

ん?
ならなおさらいいじゃんか。

俺と碧斗は付き合ってるんだし?

「凪の夢……穢すことにならないかなって」

……は?
何言ってんだ。

「なんで穢すんだよ」
「だって可愛い彼女連れていくんだってずっと言ってたから」

……そういえば、碧斗と付き合う前はそう言ってたな。
いつか可愛い彼女を連れてお祭りに行くんだって意気込んでいた。

でもいるじゃねぇか。
可愛くないけど、カッコいい彼氏が目の前に。

「そんなんで自信無くしてんのバカじゃね。あーあ、もっと自信のあるカッコいい碧斗くんだと思ったのになぁ~~」

俺がわざとらしく言ってみると、碧斗はふふっと笑って俺の手の甲にキスをする。