ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


「悠馬は?」
「俺はね、毎年ばーちゃん家!だから祭りはいけないんだ」

悠馬もダメか……。
なにげなく碧斗を見ると、バチっと目があった。

はいはい分かってるって、2人きりで行きたいっていうんだろう?
2人がダメになったんなら、俺たちで行くのは確定……。

そんな心配しなくても行ってやるって。
そんなことを考えていると、碧斗が言った。

「俺もその日は約束があって別の子と行くことになってるんだ」

えっ!!
俺はびっくりして目を丸める。

ウソだろ……。
俺たち付き合いだしたんだぞ!?
それなのに、この一大イベントを別の子と行くだと!?

(なんだよ、それ……)

めちゃくちゃショックなんだが……。

なんだかモヤモヤした気持ちになりながらもふたりと別れる道までやってきた。

「じゃあ俺たちはこっちだから」

悠馬と一樹が言う。

「あ、ああ……」

俺は動揺して声がうわずってしまった。

「じゃあまた明日な~」

悠馬と一樹はひらひらと手を振り、足早に去っていった。