ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


そして放課後の帰り道。
この日は、みんな予定がないということで……俺たちは四人で駅へと向かっていた。

「そういや、来週の土曜、駅前の神社でお祭りあるよな」

すると唐突に、悠馬がそんなことを切り出した。

そういえばもうそんな時期か……。

毎年行われている地元の祭り。
花火大会もあって、けっこう盛大にやるんだ。

去年は、俺……クラスのやつと行ったんだっけな。
その時期になると、俺も彼女作って絶対見に行くぞー!って意気込んで派手に玉砕して笑われたっけ。

でも今年は相手がいる……!
彼女じゃねぇけど、特別な相手が。

まぁでも2人が行けるっていうなら4人で行ってもいいよな!

祭りって人数いた方が楽しいし……。

「お前らは行くのか?」

俺が悠馬と一樹に尋ねると、一樹は答えた。

「僕は塾があるからいけないかな」

そっか……。
一樹はいそがしそうだもんな……。

一樹は将来医者を目指していて、入りたい大学があるため高校二年生から塾には入って勉強している。
今月もまた曜日を増やしたっていってたし、みんなで行くのは無理か……。