ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


なんだよ、それ。
住む世界が違うって本気で思ってるのかよ。

だったらお前、おかしいよ。
ずっと俺たちと一緒にいただろう?

碧斗はもうそっち側の人間じゃねぇだろ!

「行こう」

碧斗はそう言って俺から目を逸らし、男たちの肩を叩いて促した。

「それもそうだな」

そして男は俺をポイと突き飛ばすと、立ち去ろうとする。

碧斗はバカだ。
そうやって言えば俺が諦めて帰るとでも思ってんのか?
じゃあしょうがないって思うとでも思ってるのか?

そんなことするわけねぇだろ!!

「ふざけんな!待てよ!」

触るな。
そんな汚い手で碧斗に触るな!

俺は目の前にいた男の腕を掴んでしがみついた。

「んだよ、てめぇ!放せ!」

男が腕を振り回す。

「碧斗は、お前らなんかと一緒にいる男じゃない!」

俺の叫びに碧斗がはっと顔をあげた。
すると篤郎と呼ばれた男の顔が怒りに歪む。

「このガキ……調子に乗りやがって!」