「……協力?」
「あいつ、ずっと苦しそうだったから」
一樹は、いつものふざけた顔を消し真面目な目で俺を見た。
「好きなやつの恋愛を目の前で見ていなきゃいけないって辛いだろ?なにか碧斗が気持ちを伝えるきっかけを作ってあげられないかって思った……」
「碧斗に頼まれたわけじゃないよ!」
悠馬も付け足すように言った。
それは分かる。
あいつはそういうこと、絶対に言わないタイプの人間だ。
「俺たちが、勝手にお前らの背中を押そうとしただけだ。だから碧斗のことは責めないでほしい」
元から責める気なんかない。
今はもう、俺のこと……好きじゃなくなってしまってるかもしれないしな。
「それで、本題だけど何があったの?」
一樹がメガネを直しながら言う。
「……週末に合コンに誘われたんだよ。それに……碧斗を呼んでくれって言われたんだけど……誘えなくて、俺だけ、行った」
俺の声がだんだん小さくなる。
すると悠馬はこめかみを指で押さえて、深く深いため息をついた。
「合コンに参加しただけじゃなく、碧斗とダシに使ったと?」
「は、はい……」
「……凪さ、最低すぎない?」


