「その……何があったか話す前に話さないといけないことがある」
これはふたりにも言うしかないよな……。
俺は膝の上で拳を握りしめた。
「俺が唯奈ちゃんにフラれた日……悠馬が俺と碧斗で付き合えばって言っただろ?それで俺が付き合うって言ってさ」
こんなこと聞いたらふたりはビックリするだろう。
まさか友達同士がそんなことになってるとは思わないだろうし……。
「あれ……冗談で言ったつもりだったんだけど碧斗が本気にしちまって……ちょっと前まで本気で付き合ってたつーか……」
ポリポリと頬をかきながら言うと、悠馬が静かに言った。
「知ってる」
「えっ」
し、知ってる!?
今、知ってるって言ったか!?
俺は目を丸くして二人を交互に見た。 一樹も特に驚いた様子もなく眼鏡の位置を直している。
「ど、どういうことだよ」
「言葉通りの意味だよ」
悠馬は真剣な顔になっていう。
「俺たちさ、碧斗に協力してやりたかったんだ」


