なんにせよ、俺は隼人のことが好きだって言ってないんだからな!
急にこういうこと言われても正直戸惑う。
もう少しゆっくり自分の気持ちを考えていきたいんだ、俺は!
とはいえ仕事教えてもらったり、なんだかんだ助けてもらってるし……お礼した方がいいよな。
でもなにをあげたらいいのかサッパリ分からない。
「なぁ、篠原」
「ん?」
「バイトの先輩にお礼を書いたいんだけど、お礼の品って、どんなのがいいかな?」
篠原は面倒くさそうに首を傾げた。
「俺、詳しくないんだよなーそういうの。肉とかでいいんじゃね?」
「肉って……おかしいだろ」
やっぱりこいつに聞いたのが間違いだった!
「あ、陽くん!久しぶり〜!」
その時、後ろから明るい声がした。
テニスサークルの同期、桜ちゃんだ。
「おー、桜ちゃん」
「陽くん久しぶりに見たぁ〜!もうサークル来なさすぎ!久しぶりに飲もうよ〜」
「今日は行くつもりなんだ」
「やった!」
すると篠原が、思いついたように桜ちゃんに話を振った。
「なぁ桜。コイツ、バイトの先輩にお礼の品、何か買っていきたいみたいなんだけど、いいのない?」
「え、プレゼント? 先輩って甘いものとか食べる?」
そういや、従業員が差し入れに買ってきたシュークリーム、隼人食ってたよな?
「食うかも! 」
「それならいいお店知ってるよ!飲み行く前に一緒に買いに行こっ」
「マジで?めっちゃ助かる!」

