篠原は目をつぶりながらそんなことをしみじみと言う。
いいだろ~給料日くらい浮かれたってさ。
「……一口くれ」
「ああっ!お前……俺のハンバーグ……!」
「今日はいいだろ?お金持ち陽くん」
この野郎……。
篠原の給料日の日は絶対におかず一個取ってやる!
「そういやさ、お前最近サークルの飲み来ないじゃん」
唐揚げを頬張りながら篠原が言う。
「あー……」
金欠だったから、最近は全部断ってたんだよな。
バイトの日数も増やしてたからサークル自体もなかなか行けてなかったし……。
「今日も夕方から飲みあるけど、どうする?」
「今日か……」
金は入ったことだし、たまには参加するか。
顔見せておかないと居場所がなくなりそうだしな。
「……じゃあ行くわ!」
「オッケー!決定な」
飲み会の参加を決めた俺は、ふとあることを思い出した。
(……そういえば、隼人にお礼しねぇとな)
あの日、俺たちの長年の誤解はようやく解けた。
解けたのはいいのだが……その日以来、堰を切ったように隼人からは毎日連絡が届く。
おはようとか、今日は何するの?とか空いてる日ある?
とか……。
好きだって遠慮なく伝えられるとか言ってたけど、正直少しくらいはセーブしてほしい。

