バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?


「……よかった。じゃあ行こうか」

隼人は満足そうに微笑むと、チラリと俺を見て嬉しそうに目を細めた。

(……なに企んでやがる)

こうして3人で駅近くの居酒屋に入ることになってしまった。

「へぇ! じゃあ隼人と陽は、高校からの知り合いなんだ!」
「うん。クラスも同じでね。篠原くんは、陽と同じサークルに入ってるの?」
「そう、テニサー。そんで学部も一緒だからよく一緒にいるんだよ」

すげぇ……。
ふたりとも馴染んでんな。
今はじめて会ったとは思えないほどだ。

お互いの共通点などの会話をして、ご飯を食べると一時間ほどで店を出ることになった。
外はすっかり夜になっていた。

「いやー楽しかった!大学で会ったらまた~」
「うん、こちらこそ勝手にお邪魔しちゃってごめんね」
「全然、また大学でも声かけてよ。じゃあ俺こっちだから」

篠原は上機嫌で手を振ると、反対方向の改札へと消えていった。

嵐が去ったように急に静かになる。
残されたのは、俺と隼人の二人だけ。