「どこかに行くの?」
「ああ、飯でもって思っててな。コイツ……大学のツレの篠原」
そう伝えたら去っていくだろうと思ったら、なかなかその場を離れようとしない隼人。
なんだ、なんで帰らないんだ!?
俺は仕方なく、隣にいる篠原を紹介した。
「……篠原、こっちは同じバイトの隼人。大学も同じなんだぜ、学部は違うけど……」
「ど、どうも……」
篠原が気圧されたように挨拶する。
隼人は「どうも」と短く返すと、俺に向かって言った。
「ご飯行くんだよね?俺もご一緒させてもらえないかな?」
「はぁ!?」
俺が素っ頓狂な声を上げると、隼人は爽やかな笑顔で続けた。
「だって同じ大学なんだし、俺も篠原くんと仲良くなれたら嬉しいから……ダメかな?」
少し寂しそうに首を傾げる。
「いや、ダメっていうか……」
俺が言い淀んでいると、横にいた篠原が言った。
「いいじゃん。俺だってこのイケメンと仲良くなりてぇし……行こうぜ!」
「おい篠原!」
「なんだよ?俺他学部の友達とか増やしたんだよな~」
クッソ……こいつはこういう男だった。
誰でも人見知りしないんだよな。
問題は隼人だ。
こんな他の人と飯に行くのに俺も行かせてくれないかなんてお前、言うタイプじゃねぇだろ。
なんで急にそう言い出したんだ……?

