「もちろん冷やかしじゃねぇぜ?ちゃんと飲みに来たんだから入れてくれよな」
俺が小声で文句を言いながらも注文を取る。
篠原はアイスコーヒーを注文した。
「なぁ……陽何時に終わるの?」
「ああ、ちょうどあとニ十分くらいだぜ」
「じゃあせっかくだし終わったら飯でも行こうぜ」
「いいなそれ!」
そんな話をしていると。
「……陽」
不意に背後から低い声がした。
「……オーダー、通ってるぞ」
「わ、わりぃ……」
いけない。
立ち話はダメだよな。
それから三十分後。
俺は着替えを済ませて、店内で待っていた篠原と合流した。
「お待たせ。じゃあ行こうぜ」
「おう。腹減ったー」
二人で店を出ようとした、その時。
「お疲れ、陽」
更衣室から出てきたばかりの隼人が俺に声をかけてくる。
「おう、お疲れ」
そっか隼人も俺と同じ早番だったな……。
隼人は俺の隣にいる篠原をジロリと見据えた。

