「ごめん、もう少しだけ。このままでいさせて」

弱々しいようなでも甘えるようなその声。
ドクン、ドクンと心臓がうるさく音を立てて止まらない。

な、なんでこうなってるんだ……?

「ねぇ、陽」
「んだよ!」

「どうしたら……また、俺のこと好きになってくれる?」
「……は?」

あまりにも直球な問いに俺は言葉を失った。

「……っ、し、知らねーよ!」

俺は顔から火が出そうなのを隠すように隼人の体をドンと突き飛ばす。
だいたいなんだよ。
なんで俺のこと好きにさせようとすんだよ!それがおかしいだろ。
また俺のこと落として友達に自慢するのか?
何度も騙されたって言って笑うのか。
そんなの絶対に嫌だ……。

「か、帰る!」

俺が一歩、踏み出した時。
──ガシッ!

「……っ!?」

後ろから伸びてきた手に腕を強く掴まれた。

「昨日の言葉……俺は、本気だから」