そしてそのまま1週間が経った時。

「陽」

隼人は俺がひとりの隙を見て話しかけてきた。

「そろそろちゃんと話したい。こんな状態は嫌だよ」

隼人の言葉に胸が痛くなる。
ちゃんと話したいって……ちゃんと別れを告げたいってことかよ。

遊びだったんだ、だから終わりねって伝えるってことかよ。

俺が手をぎゅっと握り締めながら言った。

「……悪い、今日も俺、用事が……」

いつものように言い訳を口にして背を向けようとした瞬間。

──パシッ!

「……っ」

俺の腕が強い力で掴まれた。

「隼人……?」

振り返ると、そこには今まで見たことがないほど真剣な表情の隼人がいた。

「今日は、もう逃がさないよ」
「……っ」

有無を言わせない低い声。
俺は抵抗することもできず、そのまま腕を引かれ人気のない空き教室へと連れて行かれた。

もう、逃げられない……。

──ガラッ。
ドアが閉まる音がやけに大きく響く。

「…………」