『なんか、何人落とせるか試して記録作ってるらしいぜ』

嫌な言葉が蘇る。

「マジかよ! お前すげーな」
「だって相手、たしか~~の男だろ?」

隼人の友達が茶化すように言う。

男……。
それって昨日の話……。

いや俺は隼人を信じるって決めたじゃないか。
違う。絶対に違う。
隼人があんなこと言うはずがない……。
そうだよな、隼人……。

俺はぎゅうっと唇を噛みしめる。
しかし隼人は画面を見つめたまま、軽く笑って言い放った。

「やってみたら、案外簡単だったわ」

なっ……。
ガラガラと、俺の中で何かが崩れ落ちる音がした。

……ああ、そうか。隼人は俺をオトして楽しんでいたのか。

好きなんて気持ちはなくて、ただゲームを攻略するみたいに俺を落として楽しんでいたのか。

なんだよ……っ。なんなんだよ。
好きにさせて、攻略してただけでしたーって、そんなの酷すぎんだろうが……っ。

だったら告白してOKされたタイミングで言ってくれよ。
そしたら俺だって……本気にならないで済んだかもしれないのに。