バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?


「前からずっと見てた。俺……陽がいたから立候補したんだ」

隼人が、俺のこと……好き?
あの隼人が前から俺を見ていた?

ウソだ……信じられない。

「こんなこと言ってごめん。でも……このまま伝えないでクラスメイトに戻ったら、後悔すると思ったから……」

ぎゅっと握りしめる手は熱くて、隼人は諦めるみたいに苦しそうに感情を吐き出していた。
それを冗談にすることなんて出来るはずもなかった。

「俺、男だけど……」
「知ってる」

「誰かと付き合った経験とかも無いし、男を好きになったこともない」
「うん……」

隼人は静かに返事をする。
うわあ……どうしたらいいんだ。

俺には用意してた言葉なんてない。
こんなこと想定もしていなかったんだから。

だからこそ、今思っている気持ちを素直に伝えるしかないのかもしれない。

「お……俺も、このまま他人みたいに戻るのは嫌かも」

ぽつりと吐き出すと、隼人の目が大きく見開かれた。

この告白をふってしまったら俺たちは、仲のいい友達に戻ることはできないだろう。

特別な関係になるか、他人に戻るかの2択。
だったら……。

「俺たち、付き合ってみる?」

──ヒュ〜〜!
──ドンッ!

この日一番大きな花火が夜空に打ち上がった。
視界いっぱいに広がる光の粒。

(ああ、きれいだな……)

この感情がちゃんと恋愛なのかとか、正しいものなのかとかは全く分からない。
でも思い出として終わらせたくないと思った。