「一通り説明はこんな感じかな。あとは……まぁ実践で学んでもらった方が分かりやすいから……」
えっ。
もう外に出るってことか!?
すると俺の不安を察した店長は言った。
「すぐに接客スタートではないから安心して。最初はマンツーマンでしっかり教えていく予定だからね」
「良かったです」
初バイトだからな。
すぐにやってと言われたらド緊張するところだったぜ。
「ってことで、三上くんの教育係を紹介するね」
「はい!」
「彼はもう1年うちで働いてくれていて、物覚えもいいし人に教えるのも上手いんだ。三上くんとも年が近いから仲良くなれると思うよ」
良かった……っ。
年が近いなら話しやすいだろうし、分からないことは聞けそうだ。
「三上くーん。新人さん、連れてきたよー」
「はい」
奥から短くくぐもった声が聞こえた。
男の声だ。どんな人だろう……。
俺はぼんやりとストックルームの入り口に目を向ける。

