俺と隼人が付き合い出したのは、高校二年の秋のこと。

文化祭がもうすぐやってくるシーズンで、うちのクラスは巨大モザイクアートを出すことに決まっていた。

準備は大変であるものの、当日は遊べるからという理由で決まった出し物。
とはいえ制作側にまわるのは大変そうだということで、誰も実行委員に立候補する人がいなかった。

「ならじゃんけんで決めるぞー」

先生とじゃんけんして負けたやつがなることに決まり……。
そしてそう、グーを出した俺はまんまと負けてしまった。

ううう……。
文化祭実行委員はめんどくさいと聞く。

俺だって文化祭を気楽に楽しみたかったのに~。

「……じゃあ、原画のデザイン担当。誰か絵が得意なやついないか?」

みんな同じ気持ちだろうし、これもじゃんけんで決めることになりそうだな。
なんて思っていた時。

「やります」

先生の言葉に手を挙げた人物がいた。
それが三上 隼人だった。