そして今日。
新品のシャツに袖を通し、俺は店のバックヤードに立っている。
なんとバイトの面接はあっさりと合格。
面接を受けた1週間後には合格を伝えられ、今ここにいる状況だ。
ふふん。
今日が記念すべきバイト初日だ。
めちゃくちゃ楽しみだぜ。
バイト先の人たちと仲良くなれるかな?
この変なら同じ大学のやつもいるかも!
そんで……給料入ったら、なんか美味しいものでも食べるんだ!
そんな妄想をしていると店長がやってきた。
「広瀬くん。今日からよろしくね」
柔和な笑顔で、店長が俺に新品のエプロンを手渡す。
「はいっ!よろしくお願いします!」
元気さは大事だよな?
俺はやる気を見せるように元気に挨拶をした。
バックヤードは、焙煎された豆の香ばしい匂いで満ちていた。
「こっちがロッカー。タイムカードはここのリーダーにかざしてね」
店長はバイトの基本的なルールから説明してくれた。
フロアに出る時の挨拶、休憩の取り方。
俺はポケットに忍ばせたメモ帳にメモをとっていく。

