「俺も時間持てあましてるから陽が付き合ってくれたら嬉しい」
「……そういうことなら」

俺は思わずそう答えてしまった。
隼人が連れて行ってくれたのは、大学の門から少し路地に入った昔ながらの洋食屋だった。

「……日替わりランチ、まだあるかな」
「お前、こういう店知ってんだな」

「まあ。友達とたまに来るよ。俺も3限は空きが多いから」
「そうだったのか、なんか1個くらい授業被っててもおかしくなさそうだよな」

「ってか陽、授業中見かけたことあるよ」
「なっ……なら声かけろよな」

前までの緊張感がウソみたいだ。
普通に話せる。
二人でテーブル席に向かい合って座る。

俺はハンバーグ定食を食べることに決めた。

「っていうか、カツカレーも食べてて本当に食べれるの?」

「大学生の食欲なめんなよ?金欠じゃ無きゃ、もっとトッピングしたいところだ」
「そうだったんだ」

俺たちはポツポツと話し始めた。

「……つーか隼人はサークルなんか入ってんの?」

「一応、フットサルサークルのインカレに入ってる」
「そうなのか」