「いいだろ。今日給料日だから奮発したんだよ」
そっかぁ……篠原は居酒屋でバイトしてるもんな。
「陽もバイトしたら?飲み会参加してたら金、持たねえだろ」
「まじでそう……」
俺は苦しげに言った。
でもそっか……バイトするのはありだな。
サークルに入ってるとはいえ、連休とかも結構ヒマだったし……大学も慣れてきた今なら新しいことを始めるのもありだ。
「よしっ!俺、バイトする!」
「お、おう」
急に元気に宣言しだした俺に篠原は驚いた顔をしていた。
そうと決まればすぐ実行だ。
どうせなら通いやすいところがいいよな。
大学の近くは、サークルの連中と鉢合わせしそうで面倒だ。
俺はアパートの最寄り駅。
大学とは逆方向の駅前にあるカフェチェーンに狙いを定めた。
時給も悪くないし、カフェでバイトってめちゃくちゃオシャレじゃねぇ?
しかも「経験不問」
これは完璧!
俺はすぐに応募することにした。

