そして、バイト終わり。
「お疲れ様でした……」
逃げるようにタイムカードを切り、俺は店を出た。
夜の冷たい空気が、火照った頬に当たる。
「はぁ……」
なんかいつも以上に疲れた……。
業務は今日は検品と名前を覚えたり雑用的なものだけだったから疲れるはずがないんだけど、どうしても隼人を意識してしまって心が落ち着かない。
『俺はもう別にお前と友達でもないし、特別な存在でもないから』
「俺の方がダメダメじゃんか……」
俺は歩きながら後ろを振り返る。
来るわけ、ないか……。
(……なに期待してんだよ、俺)
俺は夜道を一人で歩き出す。
「バイト、変えた方がいいんかな……」
そしてそんなことを考えていた。
翌日。
午前中の授業を受けて昼休みの時間がやってきた。
色々な学部の生徒がごった返す学食で、俺は一人で昼食をとっていた。
今日は篠原はバイト先の先輩たちとオールして遊んだらしく授業をサボっている。
なーんか、ひとりぼっちで寂しいな。
そんなことを考えていると、不意にテーブルに影が差した。
「キミは文学部の一年だよね?」

