「知ってます!」
「……えっ」
予想外の反応に、俺はパッと顔を上げた。
「し、知ってるって……どういう……?」
俺が呆気にとられていると、彼女は平然と言った。
「三上さんに好きな人がいるかどうか聞いたことがあるんです。その時にいるよって言われて……三上さんの視線たどったらすぐ分かりました」
「視線……?」
「三上さん、仕事中でも愛おしそうに広瀬さんのこと見てるんですもん。そりゃ気づきます」
「なっ……」
カァッと顔が熱くなる。
な、なんだよそれ……知らねぇぞ……っ。
俺が恥ずかしさで固まっていると、服部さんは悪戯っぽく舌を出した。
「だから言ったんです! 協力してほしいって。正直わざとです」
平然とそんなことを言い放つ服部さん。
服部さんってか弱い女の子だと思っていたけど、もしかして実はめっちゃ強い……?
俺が呆然としていると、服部さんはキリッとした表情に戻って言った。

