この日の仕事を終えたバイト帰り。
「お疲れ様です」
みんなに挨拶をして帰ろうとする服部さんの後ろ姿を追いかけた。
「服部さん!」
外に出たところでようやく追いつく。
彼女は不思議そうに俺を見た。
「ちょっと話があるんだけど、いいかな?」
「はい?」
彼女が手を止めて振り返る。
言わなくちゃ……。
俺は真っ直ぐに彼女の目を見た。
「この間、俺……隼人のこと相談されて、協力するって言っちまったんだけど……やっぱり協力できない」
俺は拳をギュッと握りしめ、意を決して言葉にした。
なんだよコイツって思われるかもしれない。
服部さんは俺のことを嫌いになるかもしれない。
でも今言わなくちゃ。
ちゃんと人には誠実でいないとダメなんだ。
「俺……隼人のことが好きなんだ。……それなのに、あの時は無責任なこと言ってごめん」
言ってしまった。
ずっと胸につかえていた本音。
これを言うことでウワサになってしまうかもしれない。
バイト先に居づらくなってしまうかもしれないという怖さはある。
でも、どうしてもウソをつき続けることは出来なかった。
俺は深く頭を下げた。
ぎゅっと手を握りしめる。
どんなことを言われる覚悟をしていた時、頭上から服部さんの声が降ってきた。

