隼人とデートをしたあの夜から数日が過ぎた。
隼人とは順調にお付き合いがいっているものの、俺の心には小さな棘が刺さったまま。
『あ……す、すみません……っ! 私……』
傷ついた顔の服部さんを思い出す。
あのままじゃダメだよな……。
服部さんにしっかり伝えないといけない。
協力は出来ないってこと。
そして今日。
俺はバイト先に出勤した。
「おはようございます……」
「広瀬くん、おはよー!」
店長が明るく声をかけてくる。
今日は隼人は補習に参加するとかでバイトのシフトは休み希望で出していた。
「今日は三上くんがいないから、広瀬くんが積極的に服部さんに教えてあげてね」
「はいっ!」
「よろしくお願いします!」
服部さんが背筋を伸ばして言う。
そっか……服部さんだけいるのか。
なんとなく気まずい気持ちになりながらも、俺はフロアーに立った。

