誰に見られるか分からないとか、ここは外だぞ!?とか……。
でも俺は吸い寄せられるように、そっと瞼を閉じた。
「んっ……」
唇に柔らかくて温かい感触が重なる。
唇が離れると、吐息がかかる距離で視線が絡み合う。 「今の、陽が誘ったんだから」
「だって俺だって好きだし」
ずっと隼人からのアクションに動揺してるばっかりじゃない。
「……陽、キスいやじゃない?」
不安そうに、でも確認するように問いかけてくる低い声。 俺は熱い頬を隠すこともせず、隼人の瞳を見つめ返した。
「……嫌じゃないよ」
言葉にすると、想いが溢れて止まらなくなりそうだった。
それは隼人も同じだったようで、ぱっと俺から目を逸らして言う。
「これ以上は抑えとく」
隼人が目を逸らしながら言う。
その仕草になんだか勝った気になってしまって俺はにニヤリと言った。
「ふぅん、抑えるんだ?」
煽るように言うと、隼人はまっすぐに俺を見つめて言った。
「あんまり煽ると、痛い目見るよ?」
「……っ」
や、やべ。
隼人にはたぶん一生叶いそうもない。
とって食われないうちに俺は隼人から距離をとった。

