(……っ!!)
その仕草があまりにも色っぽくて、俺は息が止まりそうになった。 このイケメンムーブ……俺、心臓持たないかもしれねぇ。
ようやく映画が終わったが、ドキドキしすぎて内容がもうこれっぽっちも頭に入ってこなかった。
(お前のせいだからな!)
「楽しかったね、陽」
それから俺たちはご飯を食べてから解散することになった。
駅とは反対方向の静かな道を歩く。
あたりはすっかり暗くなっていて人気も少ない。
俺たちは近くの公園で少し寄り道することにした。
すると、ふと、隼人が空を見上げながら言った。
「なんかさ……高校の時を思い出すね」
「えっ」
「あの時もこうやって、映画の後に並んで歩いたことあっただろ」
そういえば、そうだったな。
あの時の俺たちは、どこかぎこちなくて、俺は周りの目ばっかり気にしちまうし……自信もないし、本当に隼人の隣にいていいのかって思うことばっかりだったな。

