週末の駅前広場。
「……変じゃ、ないよな?」
俺は隼人のことを待っていた。
今日は……隼人と付き合い直して、初めてのデートだ。
お互い家に行ってもいいんだが、待ち合わせがしたいとか隼人が変なことを言うので駅前で待っている。
こうやって改まるとめっちゃドキドキしちまうんだけど!
普通に、いつも通りだぞ。俺……。
俺はそわそわと落ち着きなく動いていると。
「……あ」
向こう側から隼人がやってきた。
シンプルな白いTシャツに、薄手のジャケットを羽織った姿。
ただ歩いているだけなのに、周りの人がちらちらと隼人の方を振り返っているのが分かる。
(やば……やっぱ俺の彼氏……カッコいい)
なんて思ってしまうくらいには俺も浮かれている。
隼人が俺を見つける。
その瞬間、隼人の表情がふわりと柔らかく崩れた。
「陽」
「……お、おう。はよ」
「おはよう。……待った?」
「い、いや! 俺も今来たとこ!」

