ようやく両思いになり……。
『つ、付き合うってことでいいんだよな?』
と尋ねたが!!
『えっ、聞こえない!』
外はそう、大嵐……。
声は届くことはなく、当然手を繋ぐような甘いこともできずに、びしょ濡れになりながらお互いの家に帰る始末。
で、でもきっと付き合うことになったと思う。
「今日はレジとカウンターお願い。隼人くんはドリンクね」
「はい!」
ばちりと目が合うと、隼人は俺だけに見せる優しい笑顔を見せた。
う"……。
俺の彼氏、カッコいい……。
今日は服部さんがいないこともあってか、俺と隼人で売り場をまわすことになっていた。
レジを打ちながら、隼人が作ったドリンクを受け取りお客さんに渡す。
必死に笑顔を作り、注文をとっていった。
すると、背後に人の気配がした。
「……陽、これ、フラッペ先」
「うわっ!?」
俺の背後からそっとフラッペを出す隼人。
あいつの体が俺の背中にふわりと触れた。
──ドキン。
(……近い、近いって!)
俺は、客から受け取った千円札を握りしめたまま一瞬固まる。
しかしあいつはもう、ドリンクカウンターに戻っていた。
「次、ラテとコーヒー」
「は、はい!」
レジを打ち終え、カウンターの上を布巾で拭く。
それとほぼ同時に隼人が二つのカップをカウンターに置いた。

