バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?


嵐の夜から。
再びお付き合いをすることになった俺たち。

【おはよう。今日もバイト先で会えるのうれしい】

朝、届いたメッセージを見て、俺は口もとを覆った。
隼人から来たメッセージ。

……やばい。
絶対にニヤけてる。

バイト先へ向かう道。
俺は、駅に設置された鏡に映る自分の顔を何度も確認した。

ダメだ。口元が緩むのを止められない。
でも浮かれてる場合じゃないよな。

仕事は仕事だ!
俺はまだまだ覚えなくちゃいけないこともたくさんあるわけで、給料も発生してるんだからしっかり割り切ってやらないとな!

「……お、おはようございます」

バックヤードのドアを開けると、隼人はもう来ていた。

いる!
隼人と目が合う。

「はよ……」
「おう」

それだけで俺の心臓がドクンと跳ねる。
俺は、ドキドキするのを隠しながら自分のロッカーに向かった。

「広瀬くん、三上くん。この間はありがとうね!お礼にジュース買ってきたから持っていってよ」

「ありがとうございます!」

店長に頭を下げる俺たち。
まぁ、あの嵐の中帰るのは大変だった。