バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?


「だから……今の陽の気持ち聞けて嬉しい」
「隼人……」

その時だった。
バチッ! 頭上で乾いた音が鳴り響いた瞬間、電気が復旧した。

「……う」

まぶしさに目を細める。

「ついたみたいだな」
「……ああ」

目が慣れてくると、すぐ目の前に隼人の顔があった。

至近距離で絡み合う視線。
抱き合ったままの体勢が、明るい場所だと急激に恥ずかしくなってくる。

「……っ、ななんか照れるな」

俺は慌てて体を離した時、隼人はまっすぐに俺の目を見て告げた。

「陽、大好きだよ」
「……っ」

その言葉にカッ、と顔が一気に熱くなるのが分かった。
うわあああ!明るい場所で言うのは反則だろ……!

俺は耐えきれず、両手で顔を覆った。

「耳、赤い」
「うっせー……」

赤くもなるだろ。
こんな正面から好きなんて言われたら……。

ドキン、ドキンと心地よく心臓が音を立てる。
その時、俺はあるものの存在に気がついた。

そうだ!

「あ、あのさ」

俺はカバンをごそごそと漁ると、ずっと握りしめていた箱を取り出した。