「だからこそ、俺もちゃんと引くときは引かないとって思えた」
隼人の言葉が胸に突き刺さる。
ここで言わなきゃ、本当に終わってしまう。
俺は声を張り上げた。
「……す、好きだ!」
「え?」
えっ!?
ええっ!
なに言ってんの俺!?
そりゃ、俺も気になってるってこと言おうと思ったけど好きだってなんだよ。
なんでこんな言葉しか出て来ないんだよ。
「陽……?」
暗闇の向こうから、戸惑ったような声がする。
「あ、いやその……間違えたつーか……その」
ボソボソとつぶやく。
「そうだよね」
隼人の言葉にズキンと心臓が胸を打った。
それを間違いにするのは簡単だ。
でもそうするからいつまでも前に進まないんじゃないのか。
俺は、ぎゅっと唇を噛みしめながらも隼人に言った。
「俺、正直……また傷つくのは嫌だって思っちまった。あの時誤解が解けたのも、隼人が俺のことを好きでいてくれたのも嬉しかった。でももう一度付き合うことになったら、また傷つくことがあるんじゃないか、とかだったら今のまま友達として一緒にいる方が楽しんじゃないかって思っちまったんだ」
このままでいれば傷つかないで済むから、手を伸ばすのをやめてしまった。

