(……なんで、俺なんだよ)
断りたい。
協力なんてしたくない。
だけど、断ることは出来なかった。
俺は、引きつった笑みを浮かべながら言った。
「……お、俺でよければなんでも相談に乗るぜ……」
ああ、もうバカだ。
隼人の言った通りじゃねぇか。
俺は誰かから言われるとノーと言えなくて、流されたままイエスと言ってしまう……。
きちんと自分の気持ち言えないくせに隼人にはあんな風に怒って……俺、ダメ人間だ。
「本当ですか!? ありがとうございます!」
服部さんは嬉しそうに笑顔を浮かべた。
俺は一人、休憩室を出て従業員用の通路で壁にもたれかかった。
(あーあ……俺、何やってんだろう)
隼人の隣に、別の女の子が座るチャンスを俺自身が作ってしまった。
バカみたいだ、本当に。

