「もう慣れた?」
「まだまだ覚えることばっかりですけど、三上さんが優しく教えてくれるのでとっても楽しいです!」
隼人の名前を出した瞬間、服部さんの声が弾んだのが分かった。
「そ、そっか……」
「三上さんって……普段はクールで厳しいですけど、いざという時はすごく頼りになるんですよね!広瀬さんも三上さんに教わったって聞いたから、この気持ち分かってくれるかなって」
「あ、ああ……教え方も上手いよな」
俺は動揺しながらも必死に言葉を紡いだ。
すると、服部さんは、顔をほんのり赤らめながらもじもじと指先を合わせて俺の方を向いた。
「あの……広瀬さん」
「……なに」
「私……三上さんのこと、好きになっちゃったみたいです」
──ドクン。
心臓が嫌な音を立てた。
「広瀬さん、三上さんと同じ大学で一番仲がいいってさっき……美咲さんに聞いたんです。だから、その……相談に乗ってくれませんか?」
真っ直ぐな瞳で見つめられ、俺は目を逸らすことも出来なかった。

