闇サイトハンター

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============================================
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。
 「影の正義の味方」になるのだ。
 大文字伝子様の為に。

 闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
 それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
 超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。

 朝、起きると、久しぶりにスッキリしていた。
 ダーク・レインボウと言えども、年末年始にバトルになった例はないから、今年もバトルなしか?それとも・・・と思っている内に寝落ちしてしまった。
 その割に、スッキリ。
 久しぶりにホーム炬燵を出して、足突っ込んで寝たから。
 風邪引きやすいって、よく言われる寝方だが、上着着込んだり、掛け布団したら、案外大丈夫なのだ。
 思い立って、例のスーパーに『釜揚げしらす』を買いに行く。
 やっぱり無いか。正月用品がずらり並んでいるから、スペース割けないのだろう。
 ちりめんじゃこすらない。
 今年は、思い切って『数の子』を沢山買おうか。
 待てよ、こんな台詞が待ってないか?
 「郁チャン、産んでもいいの?籍入れなくてもいいから、私、産みたい。」
 妄想で、思わず、顔がほころぶ。
 「何、笑ってるんだよ、おい。」
 え?
 「あ、『言葉の煽り運転』、だ。詰まり、カラミだ。」
 「済みません、思い出し笑いです。女房がおかしな奴でして。」
 「誰がおかしいって?おかしな奴だって?」
 「あ。女房の話でして。」
 見ていた警備員が、「年末警戒中!!マッチ一本、火事の元。チンピラ言いがかり、トラブルのも元!!」と大声で言った。
 あ。高峰だ。伝子様のお陰で、まともな警備員になった、元刑事だ。今でも、睨むと凄みがある。
 因縁付けて来たチンピラが気迫負けして、「気をつけろい!」と言って去って行った。
 「助かりました。」と、俺は素直に礼を言った。
 「気にしないでいいよ。アンタも妻帯者だったんだ。正月の買物?ごゆっくり。」
 俺が何か言う前に、奴は去っていった。
 まあ、いいや。
 注連飾りを売ってたので、取り敢えず、それだけ買って帰る事にした。

 ―完―