闇サイトハンター

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。
 「影の正義の味方」になるのだ。
 大文字伝子様の為に。

 闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
 それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
 超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。

 闇サイトが大流行りだ。
 だが、そのお陰で真サイトであるSNSも大流行だ。

 午前1時。夜中に姉貴から電話がかかってきた。3番目のスマホだ。
 「郁チャン、助けて。扇風機が・・・。」

 義理の姉貴の家に俺はバイクを跳ばした。
 確かに、扇風機は壊れていた。
 頭が「ごめんなさい」している。
 姉貴も冷え性だから、エアコンもあるが、扇風機を使うことが多い。
 初夏の頃、調子悪いから、と言うから応急処理をした。
 「たが」の部分が折れているので、結束バンドで修理したのだ。
 今度は中のネジ止め金具が内側も外側も壊れている。
 もう、手の施しようがない。
 俺は、姉貴のPCで、ネット注文した。今なら安く売っているかも知れない。
 あった。
 「姉貴。注文しといたから。」と、振り返ると、姉貴は、裸になって立っていた。
 しまった。正夢だった。ゴキブリではなく、扇風機だった。
 俺は捕まった。『郁夫ホイホイ』に。
 とうとう、結ばれてしまった。

 「扇風機の頭、ひょっとしたら、叩いたの?」
 「いつまで経っても抱いてくれないから。好きな人いるのね。私、体だけのの奥さんでもいいよ。」
 「姉貴。」
 「いやあ。加津子って呼んで。」
 「加津子、籍入れなくてもいいか?」
 「郁ちゃんの『オンナ』でいい。」
 時間も時間だ。
 「戦闘」の後、俺は仮眠して、5番目の自宅に帰った。
 風呂から出た時に見せられた光景が目にちらついた。
 和箪笥、洋服ダンスは、ぎっしりと俺用の下着、衣類があった。
 許せ、加津子。当分「体だけの夫婦」だ。

 ―完―