======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 「ワンタンの玉将社長殺害」事件で、失敗し、今後の人生に役に立つだろうと南部興信所に就職した。
 南部師匠に破門されて、また懲りずに殺し屋をやろうと考えた。
 スナイパーとして、傭兵時代のコネで『阿倍野元総理暗殺事件』のチームに参加したが、何と、『本命殺し屋』は、学生上がりのオタク青年だった。『大目分離教』による『サルーン事件』以来、名前を挙げたい者は大勢いた。
 『手配師』が、俺と名前が似ているから配置を間違えたのだ。ケンが指摘してくれたが、聞き入れなかった。それどころか『本番殺し屋』は、他に用意されていた。
 俺達は、『当て馬』、いや、失敗した時の『滑り止め』だった。
 『本命殺し屋』は、『当て馬(ダミー)』として、『立派に』任務を果たし、SPに取り押さえられ、本番殺し屋』は、いずこかへ去った。
 俺達は、『情報漏洩』を防ぐ為、『守秘義務』として、以降の接触を禁じられていた。
 だが、俺は、ケンとだけは交流を続けた。
 ケンは、元々イーグル国からのスパイだった。当時は、まだ『自治エリア』だった。
 過去を追想しながら、俺は、『目黒区立図書館連続殺人事件』の推移を見守った。
 中津探偵を欺した、自称和知南は、やがて正体を現わした。
 目黒区立図書館で見た彼女はダークレインボウの幹部だった。
 名前は知らないが、偽和知は、東京ドームで自爆した。
 俺は、EITOの資料を集まることにした。

 俺は、隊長大文字伝子と運命的に出逢ったことで、今後の方針を固めた。
 それは、『闇サイトハンター』として、EITOに、いや、大文字伝子に協力していくことだ。

 第一弾
 俺は、EITO大阪支部の動向を調べた。
 「時の氏神」を名乗ったピスミラの企みを、『闇サイト復元アプリ』で確認した。
 誰も知らないが、闇サイトは、『逃げ道』の為に『バックアップ』を一時保管するのだ。
 一流のハッカーの俺だからこそ、発見出来る。
 俺のハッカーの師匠は、傭兵時代の仲間だった。
 最終的に、奴は罠に嵌められ、文字通り地雷を踏んで亡くなった。
 俺は、奴の『バックアップ』だった。『応援』という意味だけでなく、知識も引き継いだのだ。
 殺し屋を諦めた俺は、「大文字伝子」という大物の『影の支援者』として、『正義の味方』を気取ることにした。俺には、『探偵』修行をした経験もある。
 資金は、傭兵時代のギャラと『ネットコイン』で貯めた金がある。
 第二弾
 流石は、大文字だ。EITO東京本部の闘い。
 ダークレインボウの『ナイフガン』の餌食にならないように鏡で合図を送ったが、見事に大文字伝子は見破った。
 俺が惚れたオンナ、いや、「大物」だけのことはある。
 俺は、乞われて姿を見せたが、俺の決意と所業は明かさなかった。
 昔憧れた、『孤高のヒーロー』だからな。
 お?また、闇サイトが「湧いて」出た。
 俺の出番かな?
 ―完―