闇サイトハンター

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。
 「影の正義の味方」になるのだ。
 大文字伝子様の為に。

 闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
 それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
 超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。

 闇サイトが大流行りだ。
 だが、そのお陰で真サイトであるSNSも大流行だ。

 午前1時。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、EITO宛の挑戦状が届いた。
 『噛まず見付けり』
 画面の下の方に、次の英文が見えた。
 "Summer vacation is half a month"

 何だ、これ?まあ、いい。アナグラムは、高遠様にお任せしておこう。

 翌日。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、再度挑戦状が届いた。
 『おお、我が子よ。噛まず見付けり』
 画面の下の方に、次の英文が見えた。
 "Summer vacation is half a month"

 何だ、これ?奴さん、夏休みぼけか?

 その数時間後。闇サイトに広告が出た。
 『くノ一、の衣装で闘う振り。時給1万円。3時間程度。脚の早い女性。』

 俺の出番はないな、多分。女子高生や女子大生のバイトなんか伝子様の部下の敵じゃない。

 気まぐれに義理の姉貴に電話すると、「郁ちゃん、助けてー!」と言う。

 俺はバイクを跳ばして、姉貴の家に着いた。
 確かに、いた。ゴキを倒して、ゴキブリ駆除剤を撒いて、一汗かいたから、シャワーを借りた。それがいけなかった。

 姉貴は、裸になって風呂に入って来た。
 俺は捕まった。『郁夫ホイホイ』に。
 とうとう、結ばれてしまった。

 「ゴキブリ、ひょっとしたら、用意したの?」
 「いつまで経っても抱いてくれないから。私、闇サイトハンターの奥さんでもいいよ。」
 「姉貴。」
 「いやあ。加津子って呼んで。」
 「加津子、籍入れなくてもいいか?」
 「郁ちゃんの『オンナ』でもいい。」

 へっくし!!

 派手なクシャミは俺自身だった。目が覚めた。
 エアコン、温度変えなきゃな。

 ―完―