闇サイトハンター

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============================================
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。
 「影の正義の味方」になるのだ。
 大文字伝子様の為に。

 闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
 それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
 超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。

 闇サイトが大流行りだ。
 だが、そのお陰で真サイトであるSNSも大流行だ。

 午前1時。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、EITO宛の挑戦状が届いた。
 『こころ子供亡い』
 画面の下の方に、次の英文が見えた。
 “Do you understand,courage?"

 「分かるか、勇気?・・・ユウキ?・・・まさかな。」
 翌日。俺は、見付けた。闇サイトでの勧誘を。システム作っておいて良かった。
 「統率力ある、勇気ある若者を望む。大学でのゲームだ。部下は大人だが、采配する人間が必要だ。」

 こんな甘い言葉に、ゲンナマ積まれたらイチコロだな。

 で、こういう、おっちょこちょいは必ずSNSでダチにコクる。
 ダチも、おっちょこちょいだから、他の、おっちょこちょいに話す。
 基本的に「ここだけの話」ってのは、「ここからの話」なのだ。
 だから、ボロはすぐ出てくる。
 その翌日。場所は、慶応か。ん?待てよ。

 俺は、同じ日に、アイドルグループの握手会があることを発見した。
 こういうグループに付きものの、ファンクラブを調べると、『枝』を請け負った予備校生の名前があった。
 酷いな。握手会の後に、バトルのバイトかよ。幾ら貰ったんだ?後金なんか無いぞ。

 こりゃあ黙って居られない。
 俺は、藍月バーをかじりながら、警視庁の『目安箱』に当日届くようにメールを送った。

 伝子様には、いつでも、ご注進するぜ。
 殺し屋にならなくて良かった。

 一寝入りするかな?夏は長い。昼も夜も暑い。

 ―完―