闇サイトハンター

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。
 「影の正義の味方」になるのだ。
 大文字伝子様の為に。

 闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
 それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
 超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。

 俺は、驚いた。
 闇サイトが大流行りだ。
 伝子様のEITO東京本部に関する案件、従妹の総子様のEITO大阪支部に関する案件が同時に出てきた。
 どうしよう?
 どちらも、緊急ではないが、近々に起こる、敵との接近遭遇の為、ヒントを与えてやって備えをっさせる必要がある。

 草薙と言う名前のホワイトハッカーもなかなかの腕前だ。
 警視庁に『目安箱』が出来たから、陳情の書簡はそこに投函せよ、ときたもんだ。
 要は、直接のメールだと『漏れる』可能性がある、という訳だ。俺を信用しろよ、もっと。
 でもまあ、それだけ、俺の『普段の行い』がいい訳で、伝子様に信頼されている証拠だ。

 まずは、白い忍者衣装を、伝子様の『いもうと』の『手下』の会社に発注した奴がいる。
 名前を隠しているが、那珂国系の会社だ。
 これは、間違いなく伝子様の敵だ。
 縫製大学の学生のアホどもの『呟き』も発見した。学生って、ある意味「馬鹿正直」だから、それにすぐに友達に自慢したがる。そこに目をつけたのが「特殊詐欺」の「受け子」だ。
 「楽して儲かる」・・・うっしし。単純だなあ。

 次は、総子様の案件だ。おしゃべりが多いなあ。連続レイプ事件の黒幕は闇サイト経由で指示していたのか。今度は、『口喧嘩サークル』の実力行使を唆してやがる。
 口喧嘩で実力行使したら、口喧嘩じゃないだろう。乗せられる方も乗せられる方だが、どうも台詞の使い方からして『トヨ〇商事』事件のグループにいたのいかも知れない。

 ガンバレよ、総子様。

 俺は、時間設定で、目安箱宛のメールを送った。

 ゴメンよ、姉貴。俺は、伝子様にぞっこんなんだ。

 ―完―