国家の聖戦前線、炎に包まれた荒野。異端者たちが潜むこの地は、秩序の名の下に浄化される戦場だった。違反者訓練担当官のオジェ=ル=ダノワは、怜悧冷徹な視線で部隊を指揮していた。チェーンソー型白銀大斧「べフロール」を手に、護身用の白銀ナイフ「コルタン」を腰に差す。予備の斧「マルシュヴァレー」は、移動式の武器庫に備えられていた。彼は感情を排し、ただ効率と秩序を求める男。違反者たちを「矯正」し、戦士に変えるのが彼の役割だ。

その日、炎の渦巻く戦場に、聖戦部隊長ゴールハボルが現れた。「The Burning Zealot」と呼ばれる男は、炎のように揺らめく白髪を風に翻し、熱を帯びた瞳で周囲を睥睨していた。信仰と戦いの化身であり、狂信的な忠誠に生きる彼の激情は、仲間を鼓舞し敵を焼き尽くす。
信条は「炎のごとく燃え盛れ」
理想に生きるがゆえに孤独で、自己破壊的な一面を秘めていた。
「命は燃え尽きるためにある」と信じ、光の中に消えていくことを恐れない。だが、その炎は彼自身をも蝕み、胸に孤独の影を落とす。

ゴールハボルはオジェに近づき、声を張り上げた。
「オジェ！ お前の訓練した者どもは、信仰の炎に耐えられるか？ 異端を浄化する戦いに、魂を燃やせ！」

オジェは冷徹に答え、淡々と状況を報告する。
「訓練は完了。違反者たちは秩序を植え付けられた。べフロールで最終試練を課した。信仰は不要。効率が勝利をもたらす」
彼の目は氷のように冷静。戦いは計算されたもの。激情はただの乱れだ。

ゴールハボルは笑い、炎の剣を振り上げる。
「はっ！ 冷たい男だな。だが、信仰なくして何が残る？ 激情が仲間を鼓舞し、敵を灰にするんだ！」彼の瞳は熱く輝くが、声の端に孤独が滲む。狂信的な忠誠は彼を孤立させ、自己破壊の道を歩ませる。かつての仲間たちが、炎の中で散っていった記憶が、心を焦がす。
「お前のような怜悧さが必要だ。僕の炎を制御してくれ」

突然、異端者の奇襲が始まる。炎の矢が飛び交い、戦場が火の海と化す。オジェは即座にコルタンを抜き、冷静に指示を出す。
「陣形を維持。無駄な犠牲を避ける」
彼はマルシュヴァレーを手に替え、チェーンソーの唸りを響かせて敵を切り裂く。効率的に、冷徹に。

ゴールハボルは先陣を切り、激情を爆発させる。
「燃え盛れ、信仰の炎よ！」
彼は炎の剣で敵を焼き尽くし、部隊を鼓舞する。だが、その激しさは自己破壊的。傷を負いながらも止まらず、孤独な炎が彼を駆り立てる。
「命は燃え尽きるためにある……！」
叫びながら、彼はオジェの援護に気づく。オジェの斧が敵を制圧し、彼の命を守る。

戦いが収まると、ゴールハボルは息を荒げ、オジェに呟く。
「お前の冷徹さが、僕の炎を救った。孤独な戦いは辛い……だが、共にいれば、浄化は成る」

オジェは無表情に頷くが、心の中で思う。ゴールハボルの激情は、己の秩序を試す炎か？ 燃え盛る孤独は、二人の信念を繋ぐ。だが、その炎がいつかすべてを灰にせぬよう、オジェは監視を続けるのだった。