「まだ指輪してるの?」
 薬指を見て、百合子が言った。私は小さく笑う。
「うん。外す理由、ないから」
「でも、してると次の出会いなくない?」
「そうだね」と頷いた。
「でも、私がこれ外したらさ。あの人、独りぼっちになっちゃうから」
 だって、ずっと一緒にいるって約束したから。