「運命って信じる?」
 ふと、彼に訊いてみた。
「信じない」
 即答だった。
「じゃあ、何で私たちは出会えたの?」
 思い返しても、彼との出会いは『運命』としか言えないようなものだった。彼は疲れたような笑みを見せて、小さく息を吐く。
「選び直したんだよ。こうなるように、何度も何度も」