友達になった人気者が、人間じゃなかった話

 軽妙に続いていた話の最後に図星を突かれ、ばつの悪い思いをしながら、僕らは揃って橋を渡り終える。
 そのとき、ぴちゃぴちゃと水の跳ねる音が妙にはっきり聞こえてきて、ふと視線を下げた。

 ……鯉だ。
 流れが緩やかな橋脚の周りに集まっているさまを、登下校のたびよく見かける。どいつもこいつもやたら元気にビチビチ跳ねている。しかも黒っぽい奴ばかりが集うから、言ってはなんだがだいぶ不気味な光景だ。

 さっさと通り抜けてしまおうと爪先に力を入れた僕の隣で、不意に清永が足を止めた。
 その視線は明らかに、眼下の黒々とした鯉の群れに向いていて、「へえ」と興味深そうな声が続く。

「どうした?」

 早く行くぞ、という意図を込めて声をかけると、清永は「ああ」と我に返った様子で目を細めた。

「ちょっとびっくりしちゃった。魚の死期も視えるんだなぁって」
「は?」

 死期? 魚の(・・)
 なんの気なしといった調子で呟いた清永の言葉をすぐには理解できず、頭が真っ白になる。