友達になった人気者が、人間じゃなかった話

「俺、八月生まれなんだけど、生まれたときに雷めっちゃ鳴ってたっぽいんだよね」

 話を聞きながら、あぁそういう感じか、と思う。
 生まれた日に雷。現代人にしては適当な名づけられ方だな、と意外に感じる。とはいっても、僕の名前の由来だって大概だ。人のことはどうこう言えない。

「まぁ近いかもな。どっちかっていうと、夏っぽさよりは名前のつけられ方が近い」
「えっ、もしかして久世くんも」
「うん。八月生まれ」

 まじかぁ、と清永の相槌が挟まる。

「一緒だ。仲間すぎるな俺ら、ウケる」
「ウケるかな」
「ウケるよ。てかお互い来月じゃん、一緒にお祝いしようぜ~」

 仲間。一緒にお祝い。
 雲の多い空を見上げながら、清永の言葉を反芻する。

 普通ではないこと――それが、僕らを繋ぐ最も太い糸だ。
 僕が抱えていた異常はなくなった後だけれど、普通でなかった頃の記憶が綺麗に消えてなくなるわけではない。この先も、僕は純粋な〝普通〟にはなれない。

 でもそれでいい。
 だからこそ、清永の〝仲間〟という言葉が心地好く耳に溶ける。