友達になった人気者が、人間じゃなかった話

「なぁ、久世もそう思うよな?」

 肯定の返事しか認める気がないのだろう問いかけを零した武田の口が、今日は普段よりもさらに歪んで見えた。
 三人でいるときの居心地は好くない。むしろかなり悪い。これまでだって、好かったこと自体がほとんどなかった。

 僕ってなんでこの人たちと一緒にいるんだっけ、と前よりもはっきり思う。

『武田くんたちといるときはそんなふうに笑わないだろ』
『百パー作り笑顔で~す、みたいな顔してるじゃん』

 昨日の清永の声が、鮮明に頭を過った。
 清永が言ってた〝作り笑顔〟って、たぶんこれだ。

 空気を悪くしないための、この場をうまく乗り切るためだけの作り笑顔――それを顔に貼りつけている自覚が痛いほどある。
 誰がどう見ても不自然なんじゃないかと自分で自分をたしなめたくなるくらい、今の自分はひどい顔を晒している気がする。

『久世くん、あのふたりとちゃんと仲良くしたいわけじゃなさそうっていうか』
『そういうの良くないと思う』

 脳裏を巡る清永の声は止まらない。
 つらい目に遭った人を面白おかしくネタにして笑うのは、やっぱりおかしい。

「……あのさ」

 ひりひりと痛む喉から、声が勝手に滑り落ちる。